グラフィックデザイン制作
DIVING WORLD Magazine
For Underwater explorers & Modern naturalists
CL:株式会社ミゲル
AD:原 大輔、奥谷 日奈 D:田島未希、伊澤 花、松山敬典
2025.11.28
OUTLINE
ダイバーはもちろん、海を愛する全ての人へ──。
海とダイビングの魅力をさまざまな切り口から伝えるグラフィカル・マガジン。
2024年4月創刊、2025年4月8日にISSUE 02をリリース。
SLOWではアートディレクション・デザインを担当。
さまざまなファインダー/視点で切り取られた海の姿。
美しい水中写真と丁寧に編まれた物語を通じて、
“水の惑星”に想いを馳せる。
見る人を海へといざなう、新たなダイビング誌をデザイン。
ダイビング誌の復活を
コロナ禍の影響でダイビング誌の休刊が相次ぐなか、歴史ある雑誌『DIVER』のプレミアム版として位置付けられた『DIVING TOUR』が2023年に刊行されることとなり、特集ページのデザインをSLOWが担当しました。
そのイシューを受け継ぎつつ、新たなダイビング誌として立ち上げられたのが『DIVING WORLD Magazine』。
先述の『DIVING TOUR』にも携わっていた曽田夕紀子さんが編集長を務め、スーパーバイザーとして、世界的写真家である高砂淳二さんを迎えて実現したプロジェクトです。雑誌タイトルは、高砂さんが専属カメラマンを務めていたダイビング誌『DIVING WORLD』の名称を冠しています。
高砂さんが撮影した作品を主題にした巻頭グラビア&エッセイ、ダイビングや水中撮影スポットの紹介、水中写真の機材や技術の紹介、魚類学者とダイバーの対談など、さまざまな角度から海とダイビングを楽しめる誌面に生まれ変わりました。
これらの企画には「海洋環境を守る」というコンセプトが通底しており、ダイバーだけではなく、海や自然環境を愛する全ての人へ向けてメッセージを伝えるものにもなっています。
誌面の多様性を反映した表紙

第1号表紙には、高砂さんの作品から、配色のコントラストが美しい魚群の写真を選定。直接的にダイビングの様子を捉えたものではなく、抽象度を上げたグラフィカルなキービジュアルにすることにより、単なる情報誌とは異なり、広い視座から海の美しさとおもしろさ、そして大切さを伝えるという本誌のコンセプトを表現しています。
水中写真の美しさを引き立てるグラビアページ
高砂さんをはじめとする写真家たちの作品は、既に完成されたビジュアル表現です。その世界観を損なわぬよう、写真は大きく配置して装飾を最小限に抑え、テキストの量や位置も丁寧に調整。読者の方が写真の世界に没入し、ダイビングを追体験をしていただけるような誌面を目指しました。
バラエティに富んだ企画ページのデザイン
場所や時間によってさまざまな表情を見せる海。それを反映するように、各企画ページのデザインもバラエティに富んだものにしました。撮影時の「ライティング」のノウハウを伝えるページでは、柔らかな光のグラフィックを背景に。「フォトジェニック」を強調するページでは、写真の美しさを際立たせる程度のエモーショナルな配色とあしらいを採用しています。ページを開くと直感的に企画のイメージが入ってきて、ワクワクしながら読み進めていただけるようなデザインに。
雑誌の世界観を決める「紙」の大切さ
中面の紙は、程よくテクスチャを感じさせるものを選択。通常、写真の多い誌面はコート系の紙を使用することが多いのですが、『DIVING WORLD Magazine』は単に海やダイビングの情報を伝えるものではなく、カルチャー誌のようにドキュメンタリー/物語を通じて「感じ」てもらうことが大切だと考え、手に取ったときに世界/自然に触れている感覚になるような読書体験のできる雑誌を目指しました。また、インクが強く乗った部分にざらりとした程よい光沢が乗ることで独特の風合いが生まれ、写真に奥行きやリアリティを感じることのできる誌面になりました。











